ちくちく針しごと

ふだん使いで実用的なものを家庭用ミシンでちくちくと。
古くなった服に手を加えてみたり
おさがりの着物を自分サイズの服にしてみたり
主にリメイクを楽しんでいます。

Before
IMG_0987 (800x600)我が家のネクタイ事情をよくよく聴き出してみると、幅9cmの幅広ネクタイのほうは所持数が多いけれど合わないのであまり出番がないのに対し、体型に合う細いネクタイは本数が少なく、結果的に細ネクタイばかりが酷使されて擦り切れていることが明らかになりました。もっとまんべんなく使用頻度を増やすには幅広を詰めて細ネクタイを増やすしかない。擦り切れ補修と合わせて今回は一気に7本の幅詰めを行いました。写真は、裏をほどいたあとにBeforeの写真を撮っていないことに気付き、慌てて撮影した1枚。太めネクタイたち。


IMG_0988 (600x800)裏返して通し口やラベルを取り、中心の縫い目をほどいたところ。左右から芯を包んで手縫いで縫い合わせてあった。

芯は幅3cmの細さになる部分を起点にして、剣先は左右それぞれ1~1.5cmほどを目安にカット。左右から表地で芯を包み、アイロンで押さえて形を整え、余る部分はカット。元のように中心で縫い合わせ、通し口やラベルも縫い付ける。 


After
IMG_0989 (600x800)すべて手縫いの作業で、ミシン不要でした。出来上がりの写真はなかったので、細くなる途中のネクタイたち(最後の手縫い作業前。待針が打ってあってゆがんでいる)。

細ネクタイが増えてコーディネートの選択肢が広がったので、色合わせを楽しんでもらえたらいいなーと思います。

before
IMG_0938 (800x600)使いこまれたネクタイ2本。

左は幅6~7cmの細身。右は9cmほどの幅広で、譲り受けた昔の品。どちらも長く使ってきて先っぽの鋭角部分が擦り切れています。左の細いネクタイは首回りの部分も擦り切れてしまったため、補修して使うのをあきらめ、リメイク素材として少し眠っていてもらうことにしますが、太さの比較のために登場してもらいました。右の太めネクタイは擦り切れを補修するとともに、細身の体型に合わせて幅を詰めたいと思います。まずは擦り切れ補修から!

IMG_0939 (600x800)裏の中心を解いたところ。ネクタイの中はこうなっていたのねー。剣先(と呼ぶのか知らないけど)の裏地はポケットのようになっている。











IMG_0941 (600x800)裏地の下から芯を引っ張りだし、出来上がり線を描いてみる。剣先は擦り切れがなくなるくらい、1~1.5cmほどをカットすることにしました。











IMG_0942 (600x800)鋭角になっている部分の縫い合わせ方を確認。表地と裏地を中表にしてミシン縫いしてあるのですが、ネクタイの裏側に表地が7mmほど回り込むように縫うにはどうすればいいのか、しばらく観察。解いてカットしたあとに縫い合わせ方が分からなくなったら、何してんだかって感じなので・・・。



IMG_0965 (600x800)縫い合わせ方もたぶん解明できたと思うので、いよいよ表地と裏地を解きます。薄い白地は邪魔なのでめくっておく。












IMG_0966 (600x800) 解いたら布にはアイロンをして折り目を落ち着かせる。芯を出来上がり線でカット。幅も一緒にカットしてしまいました。表地の擦り切れがなくなるようにカット。うすい白地も芯に合わせてカットしました。








IMG_0969 (600x800)芯と薄い白地は作業に差し支えないようめくりあげておき、表地と裏地を中表にして縫い合わせたところ。

中表にしたときには表地が膨らんで変な形ですが、これをひっくり返して表にするとあの綺麗なネクタイの剣先が出現するという、なんともおもしろい。

芯と薄い白地を表地と裏地の中に戻してアイロンで落ち着かせ、擦り切れの補修は完了。

After
IMG_0973 (600x800)幅詰めまで終えたところ。お隣に目指していた細身ネクタイの見本を置いてみると、同じようにスリムになっているのが分かります。

裏についていたネクタイとおしの輪っかやメーカーのラベルも元のように縫い付けました。

中表で縫い合わせるところはややこしい。ネクタイの剣先の頂点となる表地、でも裏地の頂点はそこからずれるため、単純に中表で平らに合わせればいいわけではない。

擦り切れの補修はそんなに頻度多く舞い込みそうもないので、ふだんはやらないのだけど、記録のためにも工程をこまめに撮影してみました。・・・こまめに、のつもりが、後から見直すとけっこう大雑把だなー。針しごとのとき、疑問につきあたったらネット検索にもお世話になるのですが、工程をひとつひとつ丁寧に写真付きで解説してある裁縫ブログにはすごく助けられます(今回もネクタイの幅詰めの際はお世話になりました)。きっと服飾系の道を歩んできた人なのだろうと思いますが、出たとこ勝負みたいなところのある自分には真似のできない丁寧さです、ほんとに。

before
009 (600x800) これが最後の紋付。一着目はロングスカート、二着目はブラウスときてこの三着目は慶弔用のサブバッグを作るつもり。これはもともと祖母が譲り受けたものと聞いています。紋に入っている花がなんなのかよく分からなくて調べてみたら、丸に八重桔梗、かもしれない。もしくは、八重の花びらに見えている部分が剣なのかもしれなくて、その場合は丸に剣桔梗? たぶんどちらか。解いてみたらちょっと薄めで透け感がある布でした。夏用の喪服かな。 

After
IMG_0625 (600x800)大きめトートバッグ。横幅28、マチ14(!)、深さ38。慶弔のときって何かと荷物が多くなりがちだからいろいろぶちこめるような大きいサブバッグを、と大きめに作ったら、めちゃくちゃデカかった。ちゃんとしたトートバッグを作るのはこれで二度目、経験の浅さゆえサイズ感がつかめていないのもありますが、いかにテキトーに作図しているかのあらわれとも言えます。そして自分が使うものだからこれはこれでまぁいいか、と開き直る。感じたことは次回以降に活かそう。

外袋に使った黒い布には接着芯を2枚重ねにして補強しました。正面には紋をワンポイントに残しています。底には1.5mm厚のベルポーレンを入れ込んだので、たるむことはないはず。


IMG_0636 (600x800) 表袋の裏面には小物を放り込めるようなオープンポケットを上部にひとつ。

内袋には、ほかの着物を解体したときに裏地だった、綺麗な模様入りの白生地っぽい布を利用。個人的には、バッグの内側が明るい色だと中身を探しやすくて便利だと思う。

内袋の上部にはマグネットホックを付け、ファスナー付きポケットを正面側にひとつ、大きくて深い、もはや仕切りのようなポケットを逆側にひとつ。ここで使ったファスナーは、古くなったポーチを捨てるときに、解体してとっておいたもの。役立ってよかった。

Before
DSCN5161 (600x800) 譲り受けた黒紋付。状態は良いのだけど、今後着用の機会は望めなさそう・・・サイズが小さすぎるから。

喪服としても使えそうな服にリメイクしたい。ついていた紋は五三の桐、これも使えるだろうかとしばらく悩む。






After
IMG_0872 (600x800)フォーマルな長袖の黒ブラウス。結局、紋は使わず。背についている紋をそのまま背中にもってきて前開きのデザインにしようかとも考えたのですが、紋を入れてしまうと慶弔のときしか着られなくなってしまいそう。コンサートや食事などの着回しを優先しました。

着丈60、おしりをカバーできる長さ。写真では分かりにくいけれども、フロントの左右にタックが入っています。タックは初めて挑戦。滑る生地だったのでやすりが活躍してくれました。縫いやすい!

本来は裁断前にタックを入れるのを、順序を逆にしてしまい、その結果が襟ぐりのゆがみに反映されています。タックを入れてから裁断しないと布がずれて足りなくなるのです。襟ぐり、ほんとはパイピングでなんとかなるかなーと思っていたけど、身頃が完成するころにはもう少し衿元の開きを狭くしたくなって、幅1.5㎝で作図して縁取り。カーブがきついからこれで良かったと思う。

IMG_0873 (600x800) そして、初めは七分袖で作図していたのに、袖を裁断するときに気が変わって長袖になりました。袖口はふわっとギャザーをよせて、パイピング。 

背中にファスナーとホック。ファスナーや首回りは接着芯で補強。ウエストは少し絞って、それでもゆったりと裾広がりのデザイン。

着物はほぼ使い切りました。