Before
IMG_1031 (603x800)譲り受けた古いスーツ。サイズはまったく合っていません・・・肩幅は広すぎるし、おなかまわりはぶかぶか、丈も長すぎる。ひとまわり体格が大きい人に合わせて仕立てたものらしく、細身の体型にはまったく合いません。そもそもオーダーメイドのスーツは体型が同じ人でないと着こなせないよね。いくら品質が良くてもサイズが合っていないとみっともない。どうせ処分するものならその前にと、試しに補正してみました。失敗しても気が楽だし。


After
IMG_1074 (560x800) もともとついていた2つボタンの上にもうひとつボタンとボタン穴をつけて、3つボタンにしました。それに伴ってラペル(衿)の形も修正。分かりやすいように一番上のボタンも留めてもらった写真です。もともとついていた金ボタン2つを上の2か所にし、最下部のボタンは偶然にも手持ちの中に模様の似た色違いの黒ボタンが1個あり、留めることのない場所だからとそれを使いました。

肩幅は左右とも2cm詰めて4cm小さくなりました。お腹周りも後ろ身頃で左右1.5cmずつ詰めて計3cm細くし、それでもまだだぶっとしていたので上部にダーツを入れて絞ってみた。サイズ的にはダーツがあったほうがよいけれども、あんまり綺麗にできなかった。技術的な問題。

肩や身頃で絞ったので、袖ぐりも中心側に寄せました。二枚袖の袖周りもだぶだぶしていたので、縫い目のところで袖を詰め仮縫い状態で着てもらったところ、ちょっときついとのこと。いろいろ調べた末、わきの下にダーツを入れて袖を絞る方法に落ち着きました。

裾は詰め過ぎたかなと思う。短めの着丈としてお尻が3分の1見えるくらいに詰めたのだけどサイドベンツでこれはどうなのか、いまいちよくわかりません。ポケットの位置は動かせなくて(こんな大手術、に思えるような補正もプロなら可能なのかしら)、結果、ポケットはだいぶ浅くなりました。

しかしこれだけの補正をプロに頼めばかるく数万はかかるんじゃないかなぁ。よほどの価値がそのスーツになければなかなかそこまではやらないだろうな・・・この人がいなければ自分の人生はなかったと断言できるくらいお世話になった人から受け継いだ、とかならちょっと考えるかも。もしくはスーツが貴重品でなかなか手に入らない時代、とか。私のいまの感覚では、安いスーツ1着買えるような値段の補正に出すくらいなら、ぴったりサイズに仕立てるオーダーメイドに資金を回すほうを選ぶだろう。

実験的に補正してみて、素人が手を入れた感は残るけれども、気にしなければ着れなくもない、という状態になりました・・・まぁ自家製のものってだいたいがそういうものなのだけど。ちょっと丈を詰め過ぎたのもあり、これはあんまり着ないだろうな。針しごとの教材として活用させていただきました。それにしても、職人さんがしっかり仕立てた服はさすがの出来で、本職のすごさがよく分かりました。